気軽に大人の絵画教室07

世界は曲面で形作られている

始める前に、また面倒くさい御託です

水平線は抽象概念だの垂直線がどうしたのという事に関連して、点・線・面について考えます。これらはどれも抽象概念です。点は座標上の位置を示す数値によって、或いは平面上の平行で無い線の交点として特定されるだけで、それ自体では存在せず見ることも出来ません。線は点の軌跡で、やはりこれ自体を見ることは出来ません。点は面積が無いので絵として描く事が出来ません。線も面積が無いのでこれ自体を描く事は出来ません。でも、境界線として、物のシルエットとして表すことが出来ます。それでは面はどうでしょう。面は見えるのでそれ自体で存在していそうですが、やはり3次元での立体の境界です。それに光があたり、反射して網膜に到達すると感知する事ができます。空は空気の層で太陽光が乱反射し視神経を刺激し青く感じます。結論としては、光が物の表面にあたって出来る色や明暗の差を識別する事で、その物が見えている。決して点や線が見えている訳ではないので、写実をするときは、点や線を描かないようにしましょう。見えているのは面だけなので、面だけを描きます

なにやらとても胡散臭いですね。間違いをご指摘ください

球を描きたいのですが

球がいいのですが、何かありますか?

教室では発泡スチロール製の球を東急ハンズで購入しました。ビバホームにも有りました。ダイソウでは未発見です

軟式テニスのボールはなかなか良いです。硬式テニスは毛が生えているし、野球は縫い目が邪魔、ピンポン球はちょっと小さいけどうんと寄ってもらえば、それも無ければ卵はどうかな、まん丸じゃないけど、OK。なるべく白くて角張っていない物を描きます

ここの所、ああだこうだ言っている事が間違ってなければ、世界は曲面で形作られている様に見えていることになります

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卵です

卵を描きました。右下の様に描き始め、右上、左下と調子を整えていきと、そんな感じに見えなくも有りませんが、ほんとは左上が最初で、真ん中が二番目で、左下、右上、右下の順に描きました。同じ物を5つも続けて描くのは無理です、飽きます。

物が見えるのは、光が物にあたって反射した光が目に届くからでした。ティッシュの箱を描いた時は3つの面が見えたので、ザックリ3つの階調で出来ていました。ところが球(卵を描きました)は角が無いので、連続した滑らかな階調の変化だけで表現する事になります

単一光源の環境下で描く事が出来れば、光が真っ直ぐ当たっているところが一番明るく、面が段々光と 斜めになって暗くなっていき、光が当たらない所は真っ黒で形が見えなくなるはずです。今回、昼間の部屋の開口部から入る光だけ(直射日光ではありません)で描きました。しかし光は部屋の中の色んなところで反射し、おまけに白い布を敷いたテーブルの上に卵を置いたので陰の側にもたくさん光が当たりました。この光を反射光と言います。このお陰で全体の形を見ることができます。珍しい物ではなく通常、物の陰側に必ずあたっています(もちろん全体にあたっているのですが、明るい側ではあまり目立ちません)。彩度の高い色の物が近くにあると、その色が映り込みます。反射光は直接光より柔らかく見えるのでその様に描くとより立体的に見えます

鉛筆で階調の変化をつけて塗る練習をして貰いましたが、このためです

次回も、階調の変化を見る練習かな

気軽に大人の絵画教室06

世の中は曲線で出来ている

始める前に確認して置きたいことがあります

前回、皆さんに箱の絵を描いて頂き、それがどの様な状態であったか確認してもらいました。④の絵が一番それらしい。また、描く途中で物と絵を並べて見比べると良い、と言うような判断基準を匂わせました。しかしこれは、飽くまでも本物になるべく似せて描くという前提においての事です。私の素直な判断基準(好きかどうか、という基準です)では⑦が一番人間らしく、また美しく、良いと思います。私には描けない、描こうとするとわざとらしくなるので、羨ましく思ったりします

ブログ「気軽に大人の絵画教室」の冒頭で、絵は落書き、自分で良いと思えば他人の評価など気にするな。このように主張しております。ところがです、間違った美術教育の結果なのか、皆さん写真の様な絵が描けるようになりたい、とおっしゃる。これが上手な絵、なんですよね。上手な絵が良い絵(私が美しいと心うごかされる絵、私が好きな絵、と言うだけの事です。勿論)とは限りません。物を描かない絵も有りますし、絵などの見える物を主体としない美術というか芸術活動というかそんなものも有ります。上手な絵を描くことが、そんなに大事なこととは思えません

「気軽に大人の絵画教室」を始めるにあたって、教室に来られる方の、やりたいことを達成するためのお手伝いをする。私に出来ることは限られているので、出来ないことに対しては一緒に勉強させて頂く。このように運営しようと考えました

今は未だ、鉛筆で物をそっくりに描く練習をしていますが、沢山の絵を描くうちに、それぞれの方の好きな絵や、やりたい事が定まり、それぞれ独自の評価基準が形成され、それぞれの固定観念を打ち破り自由な絵を描けるように、楽しめるようになって貰いたい。偉そうなことを言ってますが、私もそうなりたい

 

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透視図法

遠近感の話です

遠近感の一つに、遠くの物は小さく見える、というのがありました

平行線というのは、同一平面上で決して交わらない線、な訳です。前回、箱の実際は平行である辺を絵に於いては平行に描いちゃいけない、なぜなら、遠くの物は小さく見えるのだから、という説明をしました

この実際は平行なのに平行に描かなかった直線をずーっと伸ばしていくと、平行じゃないのでどこかで交叉します。この交叉した場所を、透視図法で消失点といいます。この消失点の数によって1点透視図法とか2点透視図法とかいいます。前回の箱は3点透視図法です

でもちょっと待って下さい。前方にずーっと真っ直ぐ続く線路を考えて見ましょう。線路はどこか遠くの方で交叉して見えるでしょうか?線路の幅は限りなく狭くなり、幅が識別出来なくなるでしょうが、交叉してまた広がっていく事は無いでしょう。ただ、地平線(見る人の目の高さの視界における抽象概念、目の高さで水平に伸びる直線)より上に伸びる事は無いので(線路が見る人の目より下の位置にある想定です)、一本になってしまった線路は地平線とくっついた所(勿論、これも交わりません)で収束します。線路の真ん中に立っていれば、正面の位置になります

生活空間である部屋の中で検証してみましょう。椅子に座って一つの壁面の真ん中に正対します。その壁と接する天井、床とで形成される平行線を考えます。真っ直ぐ正対しているので平行に見えます。壁の高さは、236センチでした。壁の右奥でも左奥でも236センチのはずです。では、真っ正面の見た目の高さを1とすると左右の奥の壁の高さは1より小さく見えているはずです。件の平行線を左右にずーっと伸ばすと目の高さ(120センチでした)の水平線の遙か彼方で収束します。同一の水平線を弦とする上下二本の弧の様なものが見えているということです

 

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部屋の中です

つまり、直線のものを、定規を当てて真っ直ぐ描いてはいけない。定規を当てて良いのは概念上の水平線と正面にある垂直線だけという事になります。実際の水平線は地球が丸いので、どうしても地球に沿った曲線になります

とは言え、実際の物は直線なのだからと、定規を当てて描くと、説明図のようになるので、それがいやなら気をつけた方が良い、という程度の事です。直線っぽく見える物をフリーハンドで描くと直線っぽく見えなくて困るという場合は、定規で当たりを書き、正面の垂直線、目の高さの水平線との上下左右の位置関係を考えて弧にすれば、それらしくなりそうですが、そんなことより見えるままに、写実でなければ感じるままに描きましょう

 

今回は回りくどい遠近感の説明になってしまいました。結論が「見えるままに描け」ですからね。困ったもんです。次回は描きます

気軽に大人の絵画教室05

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ティッシュの箱を描いてみる

よく見る練習かな

物を描くには、対象物をよく見なくてはなりません

当たり前だろ、何を言ってるんだか

取りあえず描いて見ましょう。単純な形の物、直方体を描きましょう。ティッシュの箱とか煉瓦とかお菓子の箱とか、なるべくエッジがはっきりしている物が良いと思います。実際の教室では、ダイソウの発泡スチロール製レンガの白いやつを描きました。出来れば白い物、無ければ出来るだけ薄い色で模様のない方が楽ですが、わざわざ買わなくてもティッシュの箱があれば、それで結構です

四角い箱を台の上に置いて、描く位置から三つの長方形の面が見えるようにします

紙に箱を一個だけを描くので、あまり小さくならないように、そこそこ大きく、紙からはみ出さないように全体を入れて描いて下さい

見る練習です。頑張ってそっくりに描いて下さい。柄やら何やらではなく、大事なのは箱の形です。どういう形なのか、しっかり写し取って下さい

描き上がったらどの様に描けたか、確認をしますので、以下に進む前にまず、自分で良しと思うまで、存分に描いてから、その絵がどうなっているかを確認します

 

ここから確認作業になります

出来上がった絵の上に、コピー用紙を乗せて、透けて見える箱の絵の辺を、定規を当てて鉛筆でなぞります。9本の辺があるはずなので、漏れなく線を描き、線だけで描いたシンプルな箱の形を抽出します

どうですか?実物にそっくりですか?

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確認作業

①絵の上にコピー用紙を乗せるので、とても見づらいとは思いますが、9個の辺を定規で写し取って下さい

②赤の3本の線、緑の3本の線、青の3本の線、これらは実際の箱においてはそれぞれ平行線であるはずです。この図を参考に赤、緑、青それぞれ三本の線のうちの真ん中の線と平行な線を他の線の所に引いて下さい。細い線が平行な線です。ここでは解りやすいように赤青緑で色分けしていますが、皆さんは鉛筆の黒一色で結構です

③すべての辺を、箱において平行な所を平行に描くとこうなります。平行な線はそれぞれ同じ長さです。何か変な感じがしませんか?

⑤私が描いた形です。まあ、立体的に見えます、よね?

どういう事でしょう。遠近感が表現されていると立体的に見えます。遠近感って何?どうやって表現するのでしょう。これは、私たちが生活する中で経験的に感じ取っているが、普段は特に意識してなどいない近くの物と遠くの物の見え方の違い、これが遠近感です。物は、近づくと大きく見え、離れると小さく見える。遠くより近くの物の方がハッキリ見える。他にもあると思いますが、ここでは形を抽出しての考察なので、大きい小さいについてです。道に立ち並ぶ電柱を思い浮かべて下さい。近くの電柱は見上げねばなりませんが、向こう頼頼の方に離れるにつれてどんどん小さくなっていきます。⑤は手前側の辺が同じ長さのはずの他の辺より長く表現されているので立体的に見えるのに、③は遠近に関わらず同じ長さの辺が同じ長さに描かれた為に、遠近の差が感じられず立体的な直方体の箱には見えません

⑥辺の長さの見え方の差を強調したので、ティッシュの箱というより大きな建物の鳥瞰図といった感じです

④ちょっとやり過ぎの感がある⑤を、少し③の方向に寄せました。この方がティッシュの箱らしいかな

⑦あなたが描いたのは、ひょっとするとこんな感じですか?視点が定まらず、それぞれの面を覗き込んで見て描くとこんな感じになります。多かれ少なかれ、慣れない方はこうなる傾向があるようです

要は、視点を動かさず見えるままに描けば良いのです。でも近くにある物は右目と左目では視点がずれるため形が違って見えるのに、頭の中でそれを合成して一つの画像として認識しているわけです。ですから良く見ようとすればするほど、どうすれば良いのか解らなくなってしまいます。そんな時は手を止めて、描いている絵を対象物の横に置いて見比べます。おかしいと思った所の形を修正し辻褄を合わせます。そっくりに描かれた絵を見て「写真の様だ」とおっしゃる方がいますが、写真は単眼(一つのレンズ)で写しますが絵は二つの目で見た二つの象を無理矢理一つの画像にしているという違いがあります。「写真」と「絵の写真」を並べて見比べると、「写真」は両目で見ても片目で見ても片目でみた写真ですが、「絵の写真」は片目で見ても両目で見ているような立体感があります。それが描かれているからです

テレビに出演している人を、実際に会って見ると、テレビで見たときより細く痩せて見えるそうです。身の回りの物が、右目だけ、左目だけ、両目、でどう違って見えるか観察してみましょう

面倒くさいですね、絵を描くってのは

次回は、世の中がどう見えているのかについて少し

気軽に大人の絵画教室04

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塗る枠

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塗った


塗る練習をします

塗る練習はもうしましたよね

15センチ四方位の四角やら色々な図形やら。沢山遊んだ人も、まあちょっとやった人もいるでしょうが、鉛筆を使う練習をして頂きました。やってない人はやってからここに来て下さい

塗る練習ってのは、ただ闇雲に塗りつぶすのではなく、どの様に塗るかを決めて、その様に塗る練習です

図「塗る枠」を見て下さい。9個の四角があって、線で繋がっていて、①から⑨まで番号が振ってあります

①は、塗らないで白のままで

②は、力の限り真っ黒に塗って下さい

③は、①②の間にあってそれぞれと線で繋がっています。①より濃く②より薄く、出来れば中間位の濃さに塗ります

④は、②と③の間というか横というか、間に入れなくて左にはみ出した感じでそれぞれと線で繋がっています。③より濃く②より薄く塗ります

⑤は、①と③の間というか横というか、間に入れなくて右にはみ出した感じでそれぞれと線で繋がっています。①より濃く③より薄く塗ります

⑥は、①より濃く⑤より薄く

⑦は、⑤より濃く③より薄く

⑧は、③より濃く④より薄く

⑨は、④より濃く②より薄く

これで8個の枠を異なった階調で塗り分け、9段階の階調を作りました

図「塗った」が結果です

中間位の濃さというのが結構難しいです。斑にもなりますし、なかなか上手く行きません。私は3Bの鉛筆で塗りました。真っ黒はまあ良かったですが、明るい側の⑤⑥などは軽くそっと塗ったのですがご覧のとおりです。皆さんも頑張って下さい。Hとか2Hとか芯の硬い鉛筆でやると明るい側は楽だと思います。何本か鉛筆を買いそろえた方は、横が3センチ縦が2センチ位の升を縦に11個連ねたのを作り、一番上が真っ白、一番下を真っ黒に塗りつぶし、間の9個の升を白から黒へ段々と変化していくように塗ります。其れを柔らかい鉛筆、中間の鉛筆、硬い鉛筆と並べてやります。鉛筆のことが少し解ったような気がします。ほんとか?

 

何で、こんな事しなくちゃいけないのよ

左の手のひらを見て下さい。其れを親指を中に入れないでぐうっと握って下さい。多分、中指と薬指が手のひらにくっついている辺りが、一番暗い陰になっていると思います。一番明るい所は何処ですかね。光源が何処にあるかに因って、それぞれ違うとは思います

これを紙に鉛筆で描くとします。見えている一番明るい所を何も塗っていない白、一番暗い陰の所を塗りつぶした黒にして、ここより明るい、あそこより暗い、というふうにずっと塗っていくと、左の握り拳が描き上がります

赤かったり青かったり透けていたりと解りにくいですが、世の中の物は様々な階調の変化の連なりによって形作られ、見えています。たぶん

 

次は描く練習というか、見る練習というか

気軽に大人の絵画教室03

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鉛筆の持ち方

鉛筆を使う練習です

絵を描く道具、鉛筆を使う練習をします

そんなことは小学校で済ませたとおっしゃるでしょう。幼稚園でなさった方もおられます。でもそれは字を書く練習でした

箸を持つような感じで、親指と人差し指と中指で支え、鉛筆の先、芯の尖った所を紙に擦りつけて文字を書きました。芯の横の部分を使ったことのある方は少ないかと思います

三つの鉛筆の持ち方の図を掲載しました。一つは普通の字を書く持ち方で、芯の先を使う持ち方ですが、他の二つは芯の横の部分を使いやすい持ち方です。もちろんどんな持ち方で鉛筆を使っても自由ですが、是非、芯の横の部分を使えるようになって下さい。広い面積を塗ったり、薄く塗りたい時に便利です

 

それでは始めますが、紙はありますか?これはなんとかして下さい

鉛筆は芯を1センチ位出して削れてますか?芯の横の部分を使うのに軸がジャマをしませんか?シャープペンやボールペンでも出来ないことはありませんので、鉛筆の無い方もやってみて下さい。ちょっと大変かも、いや、かえって面白いかも知れません。私はむかしボールペンでやってました

紙はA4のコピー用紙を想定して進めますが、そこは臨機応変にお願いします

15センチ四方位の四角を描いて下さい。描けたら塗ります。少々はみ出したりしても構いませんが、なるべく均一に、ムラの無いように、丁寧に、綺麗に、塗って下さい。鉛筆の人は芯の横の部分を使って塗る練習をして下さい。シャープペンとボールペンは先の部分で塗るしかないので、結構時間が掛かります。良い暇つぶしになります。なかなか進まずイライラするかも知れませんが、慣れると楽しいものです

ボールペンはグニグニ塗りつぶすしかないと思われるかも知れませんが、そっと擦ったりハッチングやクロスハッチングで階調表現も可能です。鉛筆のある方も、是非、お試し下さい

15センチ四方位の四角をいくつも塗るのはちょっと大変なので、5~6センチ四方位の色々な図形を図形を描いて、濃く塗ったり薄く塗ったりして遊びましょう

次は、階調 をコントロールする練習かな

気軽に大人の絵画教室02

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鉛筆はナイフで削る


道具はどうする

絵を描くのはいいんだけど、道具が無いんだよな

そうですね、絵の道具と言えばやっぱり油絵の道具、油絵の具やキャンバスですか

いや、絵の道具なら日本画がの道具でしょ

冗談じゃ無い、水彩画だろう。わたしはテンペラがやりたい、それともフレスコ画

いろんな絵の技法があります。モザイクだ、銅版画だ、リトグラフだ、シルクスクリーンだ、おっと木版画を忘れちゃいけない。ステンドグラスやらスプレー缶で描いたりときりが無い

まあ、何をするにしろ色々と道具を揃えるのが大変です。何が要るのか調べなくちゃいけないし、お金も掛かるし、何処で売ってるのかな。高い画材を買ってしまうと引っ込みが付かなくなって描かねばならないと思ってかえっていやになってしまったり、画材が揃うと何時でも描けると安心して熱が冷めてしまったり、あれっ!アトリエが要るぞ、前途多難です。

道具なんて何だって良いんです。その辺に何かあるでしょう。鉛筆とか、シャープペンシルとか、ボールペンとか。それに紙が有れば。

 

昨日、高校では音楽を履修して美術はやらなかったと書いたのですが、実は子供の頃から絵は好きで、図画工作やら美術の成績もそこそこ良く、高校になってもイラストの通信教育やら近所の油絵の教室に通わせてもらったりしてました。其れが高じて芸大へ行くと言いだし、浪人して東京の予備校へやってもらい(岐阜市の生まれです)、油画専攻で入ったまではいいのですがボールペンで線を引いたりリトグラフをやったりで油絵など殆ど描きません。卒業しても東京に居座ってプータロー生活でしたが、バイトに行った製版会社の仕事が結構面白くズルズルと社員になり、結婚したり、家を買ったり、役員になり、代表取締役になり、去年会社が破綻し、それで最近絵画教室を始めました。何の実績も無く四十数年のブランク有り、だから練習してます

 

「気軽に大人の絵画教室」です。来て頂いた方に何をどう描きたいのかを伺っても、皆さんそんなにはっきりしたものが無く、判らないけど基本からとおっしゃいます。それで了解を得て、取りあえず最初は鉛筆で何か描く事にしました

そんなわけで、鉛筆を用意してください。H、F、HB、B あたりなら其れで結構です。まあ、ある物でOKです。今時鉛筆なんか持ってないシャーペンで良いでしょ?はい!

紙はプリンター用紙で充分。カレンダーの裏は滑って描けないのでNG。罫線とかがはいっていない、なるべく白い紙を。道具は以上

もし続けるようなら、硬さの違う鉛筆を数本、練り消しゴム、クロッキー帳、スケッチブック、鉛筆を削るナイフを買ってください

鉛筆削りは使わず、カッターナイフか切り出しナイフで削ります。芯が1センチ位見えるように削り出し、芯のはらで描いても木の軸がジャマをしないようにします。

さて、何を描きましょう

気軽に大人の絵画教室

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鉛筆で練習


絵って落書きですよね

ヒトっていつから絵を描くようになったんでしょう

言葉なんて無い頃から描いてたんじゃないでしょうか

指で、足で、棒っきれで地面に

何か、跡が付くって面白いです

 

幼児に、鉛筆でもボールペンでもクレヨンでも持たせれば、ぐるぐるくねくねぐちゃくちゃ、いっぱい遊びます

誰でもみんな、跡を付けて遊びます。ほんとに楽しそうです

少し大きくなると、ぐるっと丸を描いてぐちゅくちゅっと目を描いて、もう一個描いて、ぎゅっと口を描いたらアンパンマンです

 

自分は絵が下手だ。上手に描けないから描きたくない。絵は嫌いだ、と言う人がいます。物心つく前からあんなに楽しくて大好きだった絵が、いつからつまんなくて嫌いなものになってしまったのでしょう

先生に「上手だね。」と褒めてもらう為に、先生の嗜好や判断基準に沿った絵を描かなくてはならないと、考えるようになってからでしょうか。私が小学生だった頃、図画工作という科目で5段階評価が着きました。中学では美術、高校では選択教科だったので音楽を選びましたから評価はありませんでした。先生は、どういう基準で評価するのでしょう

きっと、つまんない基準なんでしょうね

 

絵って、落書きして遊ぶのだから、遊んだ痕跡に対する他人の評価なんてどうでもいいですよね。ナンセンスです

ただ、いやぁ上手く描けたなってんで額に入れて壁に飾り、他人に見せて褒めてもらおうとするもんだから、ああだこうだと色々言われて腹を立てる

ああたね、人それぞれ嗜好があって判断基準が違うんだから仕方が無い、散々楽しく遊んだんだから其れで良いじゃない。其れを褒めてもらおうとか、あわよくば誰かに売りつけようとか、馬鹿な妄想を抱いてはいけません

 

で、お上からステイホームとか引きこもれとか言われ続けるこのご時世、連んで遊ぶのもいけない、車で遠出など以ての外、絵でも描きなさい